わたしたちが日常で、人と人との間でコミュニケーションをとるときには
「目に見える部分」と「目に見えない部分」があります。
氷山にたとえると、水面から上の部分が目に見えるところ
水面下にある部分は見えていません。
水面から上の部分にあたる【目に見えるところ】は
・誰が話をしてる
・何が話題になっている
・どんな順番で話をしている
のように、誰が聞いてもわかるところ、
ビデオで撮影していたら誰が見ても同じように映るようなところです。
会話や対話のやりとりで話をする中で、起こっていることはそれだけかというと、
実はそうではありません。
水面下にある【目に見えないところ】では
・感情や心の動き
・感じていたこと
・考えていたこと
・気づいたこと
・気になったこと
・配慮したこと
などのように、いろいろなことが起こっています。
ここでは文章でお伝えしていますが
セミナーでこの内容を扱っているところを想像してみてください。
話をしている講師は、初めてこの話を聴く方もいらっしゃるから
「どういう風に受け止められているかな」とか、「いつも通り話して大丈夫かな」とか、
少しドキドキしているかもしれません。
聴講している方々の中には「対話の話でなんで氷山が出てきたの?」
「どういう風に対話と繋がるの?」と思いながら聴いてくださっている人も
いらっしゃるかもしれません。
このように、その思考や心の動きは目に見えなくても
話し手・聴き手それぞれの中ではいろいろなことが起こっています。
そして話し手・聴き手の中だけでなく「場の空気感」と表現をするように、
その場の中で生まれてくる雰囲気など、関わりの中で起こるものもあります。
どうしても話の内容や使われる言葉にだけフォーカスしてしまい、
そのときに自分や相手、場で生まれてきている
気持ちや感覚的なもの、考えていたこと、あるいは不安などは意識できていません。
その瞬間に起こっているものは、放っておくと次の瞬間には泡のように消えてしまいます。
「さっき何か感じたように思ったけどなんだっけ??」となることが
とても多いのではないかと思います。
対話をしていくときにはこの辺も踏まえて、少し氷山の下、
水面下の隠れている部分にも意識を向けていくことができればと思います。
スタッフイノウエ