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スタッフ閑話:ファシリテーションと主語

ファシリテーションの原義:容易にすること、簡易化、助成、助長、を意味するfacilitateから転じて、エンカウンターグループの実施者としてファシリテーターという呼称が1950年頃より用いられてきた。2000年初頭より、対立しがちで合意形成や相互理解が妨げられがちなチーム・組織などの効果的・効率的運営をすることを指す言葉として、ファシリテーションと呼ばれる機能が紹介された。
(Wikipedia ’ファシリテーション’より)


 最近、そもそもファシリテーションってなんだっけ?と考える機会がありました。
 えっと・・・今まで見聞きしたことを総合すると、どうやら、ファシリテーションとは「何かを簡単にする、しやすくする」ことのようです。
 合意形成をしやすくする、コミュニケーションを取りやすくする、相互理解をしやすくする・・・
 ふむふむ。
 さて、ではこの主語は誰だろう?

この主語を「私」にしてみましょう。
「私が合意形成をしやすくする」「私がコミュニケーションを取りやすくする」「私が相互理解をしやすくする」
・・・。なんだか違和感。合意形成もコミュニケーションも相互理解も相手がいるから使われる言葉なのに、まるで一人しかいないかのように聞こえます。

ファシリテーションが行われる場というのを考えてみると、人ひとりではなく2人以上の人間が集まる場ですよね?と、いうことは、主語は「私」ではなく「私たち」(あるいは「あなたたち」)の方がしっくりくる様です。
もしも主語を「私」にしてしまうと、「私だけ」が「しやすい」状態を目指すということに陥って、本当の目的を見失うことになりかねません。

特にファシリテーターが主語を「私」に置き換えてしまうと、「私・の思うプロセス通りになっていない」「私・がこうしたいと思っていた場を乱された」「私・が期待していた通りになった」というような、本来の目的からズレたところに着地してしまうかもしれません。

ファシリテーションが行われるような場が、誰にとって「しやすい」状態なのか。これを見失わないように場に臨むことが、ファシリテーターにとって大事なことだと感じました。
 

スタッフヤマモト