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スタッフ閑話:『考えるとはどういうことか』を読んで思う

ここ最近、「問い」の重要性、というか、「考えるということ」について思考を巡らせていることが多い。それというのも、
 「生徒にもっとしっかり今後のこととか、今やっていることが
     どういう結果につながるのか、考えてほしい」
 「組織の中に、考えるのが当たり前の状況を創りたい」
 「同僚のあの人に、もう少し周りの事も考えてもらいたい」
と聴く機会が続いていたから。

たいていその場では、「そうそう、考えてほしいよね~でもどうしたらいいんだろうねぇ。」と話も思考も止まってしまう。
う~ん、何か切り口はないかなぁと思っていたところで目に入った書籍、
 『考えるとはどういうことか~0歳から100歳までの哲学入門~(梶谷真司著 幻冬舎新書)』
を迷わず購入。

裏表紙には、「『考えることは大事』と言われるが、『考える方法』は誰も教えてくれない」と書かれている。

前に紹介した山田ズーニーさんの著書を読んで感じたことが思い出される。
 ― 問いの重要性。
さらに、こちらの梶谷さんの本では「人と自由に問い、語り合うことで、考えは広く深くなる」と、「人と語り合う」ことにも焦点が当たっている。
いわゆる常識とか、他人からの評価とか、そういう「正解」に近づくための問いや意見ではなく、
本当に自由に、問い、考え、聴き、語る。それは、一人ではできない。
重要なのは、自分の言葉で問い、考え、語ること。また、相手の話を否定せずそのまま受け止めること。(受け入れるのではなく。)

これという答えが見つからなくてもいい。


自分の中から出た問いに、自分で考え、ときに人と語り合い新たな視点をもらいながら自分の言葉にしたものであれば、たとえ答えが見つからなくても次に進む力になるような気がする。
考えてみたら、気の置けない友人たちと話した後などは、特に問題が解決したわけでも、答えが見つかったわけでもなくても、気持ちは晴れやかで、次に進むエネルギーが湧いてくる。

「考える」とは難しくして一人で向き合う作業ではなく、とても楽しく、広がりのある時間なのだと思う。